第180話

周りを見る感じ、他に進むべき場所はない。


一軒家を訪ねる以外の選択肢はなさそうだ。




トントントン…




『すみませーん・・・

 誰かいらっしゃいますかぁ~?』




ガチャ・・・


ギギギギギィィィィ・・・



古い鉄製の扉を開けると

中から耳の長いお爺さんが顔を覗かせる。





「おォおぉォ~~~・・・


 これは珍しい客じゃ


 ・・・お嬢さん、人間かい?」





よくできた映像だな、と感心する泉水。


軽く映像に触れてみると、実体がないため

やはりホログラムのようだ。


特筆すべきは ホログラムの割には、

透けた感じが全くなく、

実体のように見える点だ。



時価総額が世界トップ3にも入る

アメリカの”Gaagaleガーガル”社が開発した技術が

随所に取り入れられている。

人ではなく、ロボットでもなく、

ガーガルホログラムが全てを演出するため 

100箇所もの入場ゲートと数々のコースを

実現可能にしているのだ。


はなぶさフレンチシティはCMでも、


”は? 人件費って何?

 ウチはガーガルホログラムで

 成り立ってますけど、何か?”


というあおり気味のアピールで、

若年層と、高齢層の獲得にも成功している。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る