第138話

ひゅぅぅぅ…









病室内を風が抜けていく。




窓が開けられていて、カーテンが

ひらひらと なびいている。




ベッドには誰もいない。





空いた窓から外を覗き込む人が1人。





なびくカーテンの下から足だけを覗かせ





ゆっくりとつま先が こちらに向けられ






部屋を走り抜ける風が、

机に置かれた雑誌のページをめくり…







カーテンの向こうから、

ずっと待っていた声がやって来る







「おはよ


    いずみちゃん」

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