第134話

「ここへ来たときに撮った画像がコレ…


 脳の中の影は8.8cmもあって、

 ほぼ脳幹の中あたりに位置している


 そして、2日前に撮った画像がこちら」



最新鋭の設備で、意識がない患者でも

約1分間で体内の状態を確認することが

できるという装置


それを使って撮ったデータを

泉水に見せながら説明している




「あれほどの影が殆ど消えて、

 1cmほどにまで小さくなっているんだ」




『1cm!?


 …そんなことって、あるんですか??』



良くない話を想定していたためか、

泉水の声が少し上ずり、

トーンも気持ち明るくなっている




「少なくとも、

 私は初めてだね


 異物は炭素を含んでいるので

 有機物かと思ったが、

 どうも 性質は無機物寄りだ


 ダイヤモンドと同じように

 無機物として扱うべきなのだろうが、

 ダイヤともまた異なっていて…


 まるで金属が体内で自律的に

 生成と融合をしているかのような

 振る舞いをしている



    …これが1つ目の不思議」




『まだ、あるんですね?』




「えぇ…


 こちらの画像は、ジュエルくんの

 脚周りを計測したものですけどね…」

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