第38話

カラカラカラカラ…



『どーも…


 泉水イズミといいます


 …また来ちゃいました…』




眠っている生徒を起こすと何かと面倒なので、女性教師は廊下側に移動して泉水と会話をする。




「あー、諜報員さんねー


 竹宮先生から聞いていますよ?


 諜報員って言うから隠密行動してるの

 かと思ったけど、意外と堂々と

 活動してるんですねぇ?」



ジュエルくん、

 家に行っても居ないんですよ…


 だから、ここに来る以外には

 選択肢が無くて、


 授業以外はたぶん会えないって

 孔雀畑さん…あ、イエ 上司に

 言われましたし…』



「あぁ… 彼はそのまま教室で

 一夜を明かす事もありますしねぇ…」



『そうなんですね?

 ありがとうございます、貴重な情報まで』




「彼、人が居ないところに行きがち

 ですからねぇ。


 こうやって授業でもないと

 姿を現しませんし…


 かくれんぼとかやったら

 最強なんじゃないかな?


 はは… 確かに諜報員泣かせだなぁ」




『あはは…』



(逆に… 孔雀畑さんって

 どうやってあの子に行き着いたのかしら?



 ただのオジサンじゃないわね、


 あのイジハラのイケオジは…。)

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