第9話

「・・・ババァはよ、


 たかしのために毎日

 バイトしてんじゃねぇか…


 って思ったんだよ…


 じゃなきゃ、

 年金削ってまで…貴重な金を

 渡したりはしねぇ




 俺は… 俺はよ・・・


 …うっ… うぅっ… …



 たかしに…自分を映しちまったぜ…



 

 たかしに なり切って…考えてみりゃ…


 手土産に…マカロン30個入りでも

 買ってってやんのが 筋ってもんだろ?




 チクショー…


 長生きしろよ…


    ババァ…  !」







「うっ…


 うっ…   うっ…



 いいハナシじゃねぇか…


    いいババァ持ったな…



 ・・・たかし!!」





「おばぁちゃぁん…!!


 死んだおばぁちゃんに

 会いたくなったぜ…!!


     うぅ…」





教室は 涙で湿度が10%ほど上がった…


眠っていた生徒まで いつの間にか

机に涙を落として むせび泣いている。







「 (コイツラ… 今回も

   馬鹿なのかなんなのか

   わからなくなった…


   …そして、何故かもらい涙

   してしまう私…)



  うっ… グスッ… 」








・・・コンコンコン・・・






浜西理論が生んだ異様な教室、

そこへ尋ねるノック音。








『あの…失礼します…


 って えぇぇ!?


 何で、みんな泣いて!??』

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