第12話 15歳だった......


一通り、店員さんに聞きながら服を一式買った。


普通の平民が着るような服に、下着に靴下と靴。


可愛い物も考えたが、女性ものの可愛らしい服は恐ろしく高くて諦めた。


店員さんに聞いた所、良さげな服は『金持ちか貴族しか買わない』ようだ。


白と緑と茶のメイド服みたいな服に野暮ったい紐で結ぶ下着。


まぁ、異世界で普通の人間が買うならこんな物だ。


セクシーな服や下着は......今の俺には買えないな。


一日が過ぎるのは早いな。


もう夕方だ。


今日は、色々疲れた。


帰って飯でも食うか……あっ……


◆◆◆


宿屋の入り口で今日の夕食のリクエストをする。


「スイマセン、今日の夕飯ですが、なにか消化の良い物に変えて貰えますか?」


すっかり忘れていた。


多分、脂っこい物食べたらまた吐くかも知れない。


「そうだな、野菜と肉入りの雑炊とかで良いか?」


「すいません、無理言って。あと申し訳ないんですが、また部屋に持ってきて貰って良いですか?」


「ああっ、構わないぞ……それで、あのよ、獣人を奴隷にしているけど、その出来るのか?」


出来るのかって……アレの事だよな。


「出来るのかって、アレの事ですか?」


「まぁな、悪気は無いんだが……王国や帝国では獣人とそういう事するのは、割と少数派になるんだ……中には獣人の肉体美を好きなんて奇特な奴もいるが、あの子は獣人にしてはひ弱そうだし、外見に獣人の精悍さが全く無い。だから聞きたくなったんだ……悪い、お客に聞くもんじゃないな」


「ヤレるかどうかは解らないですが、俺は可愛いと思いますよ」


「そう、それなら良いや……遠回しに聞いたのはあんたが、あの子を虐待用に買ったのか気になったんだ……幾ら獣人でも俺は惨いのは余り見たくないんでな……愛玩ようなら別に良い。 変な事聞いて悪かったな」


アリスの言葉を思い出した。


『それで、お兄さんは……アリスを、虐めたいのかな......殴りたいの……お肉も貰ったし、良いよ……遠慮しないで殴って......』


『私獣人だから、普通の人に嫌われているのも解るよ。 私……獣人としても体力が無く、価値が無いから……憂さ晴らし位しか使い道ないもん』


俺から見たら美少女だからつい頭から抜けてしまうが、性的対象にもならない。


憂さ晴らしや嬲り者としてしか扱われない存在。


それが一般人から見たアリスだ。


この宿屋の店主は凄く人が良いのだろう。


俺が虐待をするか、気にして聞いてきたんだ。


「そう言う事はしないから大丈夫ですよ! 俺、獣人好きの変態ですから!」


モフモフと美少女。


最高じゃないか。


この位、言っておいた方が良いかも知れない。


「ほぅ……それは随分難儀だな! まぁ、女の趣味は人それぞれだ! 実は俺は、少しババコンなんだ。これは内緒な!」


「はい」


良く考えたら、嫌われている獣人を普通に扱ってくれているんだ。


まだつき合いは短いが絶対良い人だな。


◆◆◆


「ただいま~アリス」


「お帰りなさい、ご主人様ぁ~」


俺は買ってきた服を手渡した。


「服を買ってきたんだ! 流石に目の毒だから、早く着てくれるかな?」


「アリスの裸はやっぱり目の毒なんですね……」


いや、凄い眼福だ。


シミ一つ無い、白く透き通るような白い肌、そして綺麗なピンクの乳首。


体毛や髪が白いからそれがキラキラとして見えて余計に際立つ。


これほど綺麗な裸は雑誌やAVを含んで見た事が無い。


「いや、そういう意味じゃなくアリスは凄く綺麗だ……」


「そうですか? それなら、さっさと押し倒しちゃって下さいねっ! アリスはいつでも受け入れOKですよ?  ご主人様がしたい事、全部して良いんですよ!」


ゴクリッ。


思わず、つばを飲み込んでしまった。


「いや……だけど……」


「無理は良くないですよ……アリス、ご主人様は他の人と違うのが良く解りました。 世界で唯一アリスが好きなブス専です……きっとご主人様以外でアリスを好きになってくれる人は絶対にいませんよ?  それにアリスは、見た目は兎も角もう大人ですから!そういう事しても良いんです! と言うか……23年間誰とも触れ合った事がなく寂しいんです……是非アリスにして下さい」


どうしたものか……


「そうだな、それじゃ幾つかお願いして良いかな」


「バッチコイです!」


「それじゃ、まずご主人様じゃなく、リヒトって呼んでくれるかな?」


「リヒト様?」


流石にいきなり呼びつけは厳しいか。


「今はそれで良いや……」


「リヒト様……これで良いですか? うんぐっ……はぁはぁリヒト様ぁ……」


俺はアリスを引き寄せキスをした。


「ぷはぁ……アリス、俺達には沢山の時間があるんだ。 ゆっくりして行こう……俺はアリスと離れることは無いからな。 俺だって結構な時間を1人で過ごしてきた……だから寂しい気持は解かる。 これからはずうっと2人で居るんだから急ぐ必要はないよ」


42歳……俺は孤独だった。


恋人どころか家族を失い一人ボッチだった。


寂しいのは一緒だ。


「そうですね……リヒト様とアリスはずうっと一緒なんですから、急がなくて大丈夫ですね……あらっ、リヒト様、その......膨らんでますよ?」


「ああっ……」


俺は42歳だから枯れていたつもりだったが、今の体は15歳。


女の子の裸を見て反応しない訳が無い。


良くお風呂の時に反応しなかったな……


「良いんですよ?! リヒト様......本当に我慢しないで、それじゃあ、アリスが……」


アリスの白くて綺麗な手が俺の股間に伸びてきた。


トントントン。


「飯持って来たぞー」


助かった。


「アリス、ほら服を着て……今取りに行きます」


「ああっ、此処に置いておくからな」


「服着ましたぁ~ ご飯ですか?」


「ああっ、今日は雑炊にして貰ったから、一緒に食べよう!」


「はい、アリスお腹ペコペコですぅ~」


ふぅ~取り敢えずは先延ばしに出来た。


だけど、将来について真剣に考えた方が良いな。











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