第4話ドキ!恋の予感!?

最速クリアの極意その1


「王子!少しお願いがあります!」


「・・・」


「おい!貴様!平民が王子に向かって」


「聖竜のことについてです!お願いします!!」


近づく時は相手に拒否されない近づき方を




「なに?聖竜だと?」


「はい!そうです!私にとっては大事な話です!!」


「・・・いいでしょう。ここだと話しにくいでしょうから離れた場所で」


「ありがとうございます!!」


夕方のオレンジ色の空に照らされ、王子の顔がもっとイケメンに見える




場所、校舎裏


「ここらへんで」


「まず最初に。強い口調で喋ってしまい申し訳ない」


「え?」


王子が深々と頭を下げる。笑顔が零れそうになるが、理性で押さえつけ


焦った様子を見せる




「だ、大丈夫ですよ!私が急に話しかけただけなので!!」


「私が体裁を気にして、女性に強い口調を使ってしまうなんて」


「あ、頭を早く上げて下さい!」


王子の頬を触り、顔を持ち上げ、目と目を合わせる


「王子なんですから!頭はそう簡単に下げないで下さい!」


「・・・」


(勝ったな。これはもうホの字よ。目で分かる)


勝ちを確信しながらも、油断はせずにもっと恋を自覚させる




「それで話がですね。聖竜の名前と性別なんですよ」


「そ、そうかい」


頬を掴みながら、目と目を合わせながら話を続ける




「女の子なのに男の子の名前つけたら可哀そうじゃないですか」


「・・・」


「だから性別を調べようとしたんですが、、竜の性別の調べ方が分からなくて」


「・・・」


「図書館で調べようとも思ったんですけど、竜って情報が隠されてるって話を聞いてね」


ドンドンと王子の顔が赤く、熱くなっていく


見てる分には非常に楽しい




「だから教えて欲しいなって思ってね。ダメ?かな」


「ッ!」


敬語っぽい言葉からドンドンと口調を崩し、タメ口で喋り


顔を大きく近づけ、お願いする


これはもう勝ちよ。コールド勝ち




「わ、分かった。ただ少しだけ待って欲しい」


「ッありがとう!!ア!それと、もう一つだけ教えて貰いたいことがあって」


「なんだい?」


次の攻略対象を攻略しないとな。悪役令嬢も動き始めるだろうし


いや、動き始めて実行に移す前に終わらせるか




「行きますよーー!!」


「なんだ急に!!」


「サリバン先生!手伝って下さい!!」


「ふぅ、王子のお願いですから手伝いますが、、こんな強引に」


「ウオオ!!」


第2王子を引きずり連れて、聖竜の元へと連れて行く




「なんだ?急に、、」


「どうぞ。着替えて下さい。更衣室は急遽あそこに作りました」


「・・・何故だ?急に」


「こっそり聖竜見てましたよね」


「ッ!!」


俺が怪我した原因を作った第3王子に耳打ちする




「ちょっと手伝って貰うだけですよ」


「・・・分かったよ、、」


諦めた様子を見せた第3王子は、急遽作った掘っ建て小屋で着替え始める






「着替えたが、、これは平民が使う作業着か?」


「そうです!!」


「ナ!?お前も着替えたのか!」


俺の今の服装は第3王子が来てる服の女性版だ


見た目はほぼほぼ変わってないが、サイズは相当違う


後普通に胸が苦しい。これだから胸に肉がある奴は嫌いなんだよ




「聖竜を綺麗にします!」


「グギャ!?」


聖竜が困惑の鳴き声を出す


「鱗の水洗いは任せました!私は翼の付け根などの大事な所を洗いますから」


「待て待て!!なんで俺が洗うことに」


「聖竜は信頼している人か。純潔の人にしか自身の世話を頼みません」


「!!」


「汚名を返上できますよ。あなたがいい人なのは、聞いてますから」


手を握り、聖竜の元へと連れて行く




「聖竜?どうです?純潔ですよね」


「グギャ」


「ね?大丈夫でしょ。あ、優しく洗ってあげて下さいね」


「・・・分かった」


二人目の攻略もほとんど終わったな。次はサリバンと別の攻略対象だ

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