神か悪魔の囁きか

第1話

一か月前ー


小さな会社で働いていた私は社長室に呼び出された。


重苦しい雰囲気に、嫌な予感を覚える。


「相内さん…」


「なんでしょうか?」


はあっ…とため息をついた後、社長の口から、嫌な言葉が放たれる。


「会社の今の経営状態は知っているかな…?」


「…なんとなくは察しは付きますが…」


「…人員を整理する段階に来ているんだが…」


「社長…」


「若い相内さんはきっとまた新しい就職先が見つかると思うよ。

他の社員は結構歳もいっているから再就職が厳しいと思から、残そうと思うんだ。」


「え…それって…クビってことですか!?」


「嫌な言い方だな!クビとかじゃなくて円満雇用契約解消と言ってほしいな。」


「困ります!!!彼と結婚の話も出ているのに!」


「え?なら、彼にお世話になればいいね。

相内さんも主婦になれるね!

今までありがとう。お疲れ様!」


残酷な笑顔で社長は私を見送った。


半ば無理やり解雇となった。


傷ついた私は恋人である彼に事の有様を話した。


てっきり元気づけてくれると期待した。


「え…無職になるの?」


「すぐに仕事は見つけるから、何も心配いらないよ!」


「…ごめん。

無職の女と付き合うほど俺は暇じゃない。」


「え!?」


恋人の言葉は私が望んだ言葉とは違ったみたい。

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