6月6日

第47話

書きなぐったような気味の悪い文字。



私と河北さんの目が合った。




「……ここに書かれた事、現実になるんだよ!今度は沙希が死んじゃう!早く教えてあげないと……!」



「……待って」




ノートを手にして図書室を出ようとした私の腕を河北さんがつかんだ。



見かけによらず、かなりの力。



私は驚いて振り返る。




「……いくら主張しても無駄よ。このノートの効力を誰が信じるっていうの?」



「でも……っ!」



「今の状況だと、あなたがこれに書いて、あなたが実行したと思われて、余計に悪化するだけよ」




冷静に言う河北さん。



かなりの説得力に私は言葉を失ってしまう。




じゃあ、このまま沙希が死ぬのを黙って見ているしかないの……?

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