第70話

息を切らしながら、足もとが悪い遊歩道を歩き続いて、灯台が見えてきた



一番先まで来て、灯台の大きな霧笛が響き渡る



凄く悲しい音に聞こえるよ


なんども響き渡る音を聴き入れれば


何度聞いても悲しくて、寂しそうに嘆いているかのように聞こえる



海に向かって、悲しく泣き続ける


私みたいに―――



まるで、亡き人を呼び寄せるように鳴き響き渡るその霧笛こえは、私がかつての『湊斗』を求めている気持ちに似ていて、また泣けてきた。




最近は嫌われたり、怒られたり、幻滅されたような顔つきしか見てないな


時には、酷く絶望してるようにもみえて、わたしも悲しくなるんだよね



その理由が分からない私は、彼の側に居る資格が無いように思ってしまう

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