第52話

顔が赤い私を、またニヤニヤしながら見てるな‥‥


もう、きっとこの二人はもう「経験済み」なんだろう


つらがそこそこいいし、頭もいいからモテそうだし



だから、明らかに未経験な私をあざ笑ってるかのように見える



気にしない気にしない


私はお姉さんなんだから


冷静に…



「送ってもらったって‥‥帰りはどうするの?」



ふたりとも、私を指さして、何言ってんだ?って顔してる



「ええ?今日11時くらいになっちゃうよ?」


「ああ、いいよ、適当に街を散策してくるから、なあ紫音」


「うん、田舎を満喫するから。彼女に田舎っぽい風景の写メ送るって約束したんだ」


彼女?!‥‥やっぱりな


まだ中二なのに生意気な!



「そう?ああ、商店街のアーケードは店が閉まったらうろつかないんだよ。危ないからね」


「なんか、紗子にそんな事言われるの変な感じ。一番危なそうなのに」



うっ!確かに‥…


先月もそれで怒られたばっかだ、――たっかに



「じゃあ、おばさん、10時にはここに戻ってくるから心配しないで」


「わかったよ、終わったら連絡するからね、どこかの店に入っててよ」

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