-自慢の彼ー
第2話
「終わったら一緒に帰ろ」
「は?何言ってんだ、一人で帰れ」
「やだ。だったら呑む」
「おい、酒呑むなよ。どうやって帰んだ?」
「呑んで運転できなくして、たっかと一緒にタクシーで帰るんだもん」
「だめだ、遅くなるから、呑まないで帰れ」
「じゃあ、一緒にホテルに泊まろう?タクシーで帰るのと同じくらいでしょ?お金」
「タクシーで帰らねぇ、酒が抜けるまで閉店したこの店で寝てくんだ。帰るなら一人で帰りやがれ」
「ムっ!じゃあ紗子もここで寝る!」
「ふざけんな‥‥浩二さんにバレたら殺される」
「お父さんも、たっかなら嫁に行ってもいいって言ってるもん」
「言ってねぇだろ?知らないやつよりは安心だよなっていう笑い話だろーが」
「違うもん」
「違わない」
「もう!紗子大人になったんだよ。いいでしょ?」
「はっ!笑える。処女がなに
「じゃあ早くこの処女貰ってよ」
「嫌だね、青臭い処女は抱かない主義なんだ」
「じゃあ、そこら辺の男捕まえてヤッテくる」
『たっか』は大きなため息ついて、今にも歩き出しそうな私の腕をガシっと掴んだまま
私の大好きな人
『「たっか」こと、
そんなお兄さんは昔から優しくて、こうやって見え見えの嘘にも付き合ってくれる。
「分かったよ。でも酒飲むなよ。‥‥帰り送ってくれ」
「うん!やった!またあとで来るね!友達とカラオケ行ってくるから!!」
店の外に連れ出して、口論して粘ったかいがあった
たっかが折れてくれた!
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