ずっと一緒じゃけぇの

初心なグミ@毎日投稿中

第1話ーたった一人の友達


 千九百四十一年、十二月七日……当時六歳。

 長閑のどかな田舎の村に、私は住んでいた。

 村の辺り一面にはアメンボがプカプカと浮く、大きな田んぼが広がっていた。

 私は村の友達と田んぼの間を縫う様に駆け回っては、よく二人で鬼ごっこ等の伝承遊びをしていた。

 たった二人だけでの伝承遊び。

 それでも友達と遊ぶ日々は楽しくて、今でもその光景を鮮明に思い出しては感傷に浸っている。


―――

 

うち……のり典子ちゃんと、ずっと一緒におりたい……」

 

わやめちゃくちゃいなげなこと言うのう、やすちゃん。うちとやす安子ちゃんは友達でがんす。じゃけえだから……そがいにそんなに悲しまんで」

 

「何かのう、やすちゃん。えらいすごくいなげに変にばちあばすれる騒ぎ立てるでのう……心配でがんす」

 

しゃーなー大丈夫、ずっと一緒じゃだよのすけるこっちでがんす!!」


 うちは、やすちゃんの手を引くと鮮やかな薄紅緋色の夕陽へと駆けた。

 

「うん!ずっと一緒じゃけぇの!!」

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2024年9月30日 19:00
2024年10月1日 19:00
2024年10月2日 19:00

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