第27話
「ごめんなさい、私全然貴方のこと知らなくて…」
「それはそうだよ、会ったことないし」
いや、そうなんだけど。
双子で近所に住んでいて会わないなんてことがあるのだろうか?
「俺、病気だったから」
「え?」
「高校の時まで、入退院の繰り返し」
何の病気…?
そんなことは聞けなかった。
「そうなんだ…」
それしか言えない自分がもどかしい。
「今は、大丈夫になったから、結婚式に出たんだ」
空を見上げるようにして言う彼。
横顔をちらりと見る。
やはり、あきちゃんにそっくりだ。
顎のラインとか、形のいい目鼻立ちとか。
けれど、よく見ると違う。
昼の太陽に照らされた光で、さっきよりも瞳は色素が薄く見える。
黒髪もあきちゃんよりも綺麗になびく。
そして…儚げに感じるのは、病気の名残だろうか?
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