第23話

「何なのよ…」


彼の名刺を手に取る。


そのまま、ギュッとして捨ててやろうかと思った。


けれど、


彼の言葉が耳を反芻する。


もし、彼の言葉が本当だったら?


ー嫌、そんなのありえない。


もし、私に本当に一目惚れしたのなら?


ーだから、そんなのありえないって過去から学んだでしょ?


昔の自分が頭の中で答える。


でも、もし、


ーもしー


本当に、私を好いてくれたのなら?

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