第74話
「なぁ莉音。天王寺ってやつに近づかないほうがいいんじゃねーか?」
「えっ…」
「あいつ、相当モテるし、女子から反感買うかもしれないだろ。桜も俺も、莉音を守るには限界がある」
「たしかに…私も莉音が怖い目に遭うのは嫌だよ!」
「2人とも…」
真剣な目。
2人は本当に私のことを考えてくれている。
「あっ…はは。あはは」
「莉音?」
「2人とも…そんな真剣に…!大丈夫だって!天王寺くん、誰かと勘違いしただけみたいだし。もう関わることないって!」
「本当にか?」
「なんかあったら言ってね!莉音!」
がしっと手をつかまれる。
大切な幼馴染に心配されているだけマシな人生じゃないか。
そんなに悲観することもない。
「2人ともありがとね」
そういって2人に笑顔を向けた。
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