第69話

「それは…」


「私がシンデレラの生まれ変わりじゃなかったら好きになっていないでしょう?」


「そんなことは…」


「いつもそう。私は、女の子らしくないし、自分に自信もないし…天王寺くんが惚れる要素なんてな…」


「そんなことないです!」


ビクッと身体がはねる。


「そんなこと、ないんだ」


「どうしてそんなことが…」


「たしかに、貴方がシンデレラの生まれ変わりだと知った時、恋におちました。けれど、夢の中のシンデレラではなく、今は、貴方に恋をしたんです。友達に優しくて、苦しくても笑う貴方にー」


にこりと微笑む天王寺くん。

まるで王子様みたいだ。


だから、


だから、釣り合わなく感じてしまう。

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