第55話

高校生になっても途切れ途切れに夢を見ることがあった。


けれど今日は何か特別だった。


夢の中で出会う彼女とのダンス。


綺麗な金髪は彼女の白い肌と合い、魔法のドレスは綺麗に翻っていた。


いつしか、彼女を想うようになっていた。


馬鹿みたいだ。


おとぎ話の住人に恋をするなんて。


けれど、夢の中の彼女と触れ合った手は熱くて、本当のように感じた。


まるで、本当にあったかのようにー。

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