第53話
「ん…」
また夢。
俺はどこかの国の王子で、目の前には妖精。
何か魔法をかけられた夢を中学生のころから見るようになった。
『信じていれば、夢は叶うものよ』
夢の中の妖精は毎日のようにそう言った。
「なんだそれ…」
魔法。
妖精。
どこかのおとぎ話だろうか。
俺が王子なんておかしすぎる。
毎日のように見る夢を否定はしていた。
けれど、いつも心臓を締め付けられていた。
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