第20話

「シンデレラは本の中の世界ではありません。現に私はシンデレラと出会った王子なのです」


この人、本当に頭おかしいんじゃないの!?


クラクラしてきた…


「あ、えと、多分さ、天王寺くん、転校してきたからちょっと混乱してるんじゃない?他の人に学校案内でもお願いしてみるよ!ね、教室戻ろ」


振り返って逃げようとした。


けれど、彼に腕をがっしり掴まれてしまった。


「姫、待ってください」


ドクン。


何…これ。


前にもあった気がする。


けど、私はそれを振り払って…?


12時の鐘の音。


私、帰らなきゃ…って思って…


「姫!」


誰かが呼んでいた気がする…。


けれど私はそのままブラックアウトしてしまった。

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