第35話

その後も吐き続けた


リクさんは優しく

ただ背中をさすってくれていた




「かのんちゃん

アパート送るよ

タクシー乗ろうか」




住所を伝え久しぶりにアパートに戻った



リクさんがお会計を済ませてくれて

部屋に入った。



閉め切ったままの部屋は

湿気やホコリで空気が悪く

また胃の中がムカムカしてきた‥




「かのんちゃん落ち着いたかな?


本当はアイツの口から伝えるべきだけど

俺がかのんちゃんを傷付けちゃったね。

ごめん」



『リクさんは悪くないです。

謝らないでください』



リクさんから告げられた事実

みつくんの裏切り



「さっきから俺らの携帯すげー鳴ってる」



『きっとみつくんと遥香からですね』




まだ話もしたくない

というか今後一切話もしたくない。

顔も見たくない

会いたくもない




『リクさん‥

お願い聞いてもらえますか?


私もうあの部屋には戻りたくないです。

でも荷物があるので

全て持ってきてほしいんです』



「本当に話しなくていいの?

好きなんでしょ?」



『分かりません‥


ただ気持ち悪いです。

私を抱いたように他の女を抱いたと思うと

気持ち悪くて仕方ないです』



「俺もだよ‥


気付いたらかのんちゃんのこと気になってた


光明から話を聞いてて気が狂いそうになった。

でもかのんちゃんが幸せなら

見守ってあげようって思った。」



『‥リクさん‥?』

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