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何か周りで言っているのだろうけれど、聞こえてこない。


父が父じゃない…


さっきの言い方だと、本来まだ知らせるべき話ではないってことだ…


父は私が邪魔になったの?

私があの人との事、反対してるから…

だから、邪魔になったってこと…


ここからの記憶は曖昧だった。


気がつけばコートも羽織らずに荻野家を飛び出してきた。


降りだした雪が冷たくて、寒さでどうにかなりそうだ。


何故か涙は流れては来なかった。


杉本の家に向かっているはずが、気がつけばどこかわからない場所で…


鞄も持たずに出て来てしまったので、誰かに連絡することも出来ず…


何処かわからない場所を歩いていた。

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