第1話
あるところに、それはそれは可哀想な少女がおりました。
両親は幼い頃に亡くなり、親戚の家をたらい回しにされ、やっと引き取ってくれる遠い親戚が見つかりましたが、少女は孤独でした。
遠い親戚であるその男は、毎日少女に優しい声で語りかけました。少女の手をとりお散歩をしたり、可愛いお洋服を買ってやったり、少女に笑ってほしくて何でもしました。
その努力は実り、少女は男に心を開くようになったのです。
けれどもまだ、男以外には心を開いてはくれません。男はすっかり困り果ててしまいました。
それから数年たち、少女は高校生になりました。
高校に入ってから少女は少しずつ変わっていきました。
驚くほど明るく、昔のような元気を取り戻していったのです。
少女を変えたのは五人の不良少年でした。
少女は彼らとその仲間にとても気に入られ、ついには“姫”と呼ばれる存在となりました。
しかしそれをよく思わない人もいます。
その人たちは、やがて少女をいじめるようになりました。
少年たちにばれてしまわないように、こそこそと影に隠れていじめるのです。
しかし少女を大切に想う少年たちは、少女の微かな変化にすぐに気がつきました。
彼らは少女をいじめたやつらを懲らしめ、二度と同じことが起きないよう、より一層少女を護ろうという気持ちが大きくなりました。
少女はそんな少年たちに護られ、愛され、少年たちの中のリーダーと恋に落ち、幸せな道を歩んでいくのでした。
めでたしめでたし。
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