第17話

 しばらくすると、鈴鹿の先導で、二十四か五になる高倉侍従が衣擦れの音も静やかに現れた。

 侍従は典子姉様のおつき女房で顔なじみである。さすがに、古参とまではいかないけど、優雅でたしなみのある物腰だった。 庇の間(ひさしのま)に、膝をついて、しずしずと手をついた。

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