第3章

第3話

「少しは、落ち着きましたか?」


ユリアの柔らかい声が、私の心を癒していく…。


「うん…。」


何だか、気の抜けた返事をしてしまったリリィだったが、そのまま言葉を続けた。


「…また、失恋したの…。」


「そうでしたか…。しかし、それはまだ、リリィお嬢様の運命の相手ではなかっただけですよ…。」


ユリアは、穏やかな表情でリリィを励ました。


「そうかな…?私に、魅力がないんじゃ…」


その言葉をユリアは、直ぐに否定した。


「そんな事ないわ!!私が、どれだけあなたの事を密かに思って…」


咄嗟の勢いで出てしまった言葉に、ユリアは両手で口元を覆った。


「え…?」


リリィも顔を上げ、ユリアの方を見た。


顔に熱を浴び、頬が桃色に色付いていた。

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