うろこ雲 (#ノベルバー 2021 お題11/13分)

 龍の背に乗っている。


 視界いっぱいに浮かぶうろこ雲を見て思う。

 夕日に染められ朱を引く曲線はさながら炎で、いるはずの無い本物が実際にいるかのようだった。

 空の広さに比例する背中は、雄大で、恐ろしくて。

 頭の中で飛び立つ巨体に神々しさを感じた。

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