冷めた紅茶に角砂糖は溶けない

 情熱的な愛も、終わってしまえば肌寒いモノで。

 飲み干せていた全てが、飲み込めないほど重たく感じる。

 何とも言えない後味で爛れた喉が、吐息の代わりにため息をもらす。


 アルコールみたいに酔えればよかった。

 お酒みたいに溺れていればよかった。


 上品な琥珀色の恋には、渋みだけが溶けていた。

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