獣外

 傲慢な姫が結婚をした。

 最も気高い自分には、最も強い存在が相応しいと。

 百獣の王を夫に迎えた。

 檻を隔てた婚姻を済ませ、寝室にて。

 一人と一匹は本能のまま求め合い、悲鳴に似た喘ぎが夜明けまで続いた。

 翌朝寝室にあったのは血塗れのドレスと、腹を満たし眠る王。

 姫の姿はどこにもなかった。

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