〇oあの頃に戻れたらo〇

第7話


あの頃、まだ学生だった私・・・


いつも笑顔の貴方に・・・


3年間の秘密の恋をしていました・・・



貴方はいつも、優しくて大好きでした・・・



この思いを何度も貴方に


伝えたくても、臆病な私には


出来なくて、ただ好きな気持ちを



伝えられないまま、3年間貴方に恋をしていました・・・



貴方は、いつも笑顔で


私に話かけてくれて、優しくて


まるで、恋人の様な仕草でしたね?



でも、貴方には『好き。』の言葉が言えない私・・・



伝えたくても、貴方の笑顔を


失うのが、怖くて3年間片思いでした・・・


いつも、休み時間に



笑顔で話す、貴方と私。まるで夢の様な時間・・・



『またね。』がいつまで続くと


私は思っていました・・・


大丈夫だと、思っていました・・・



そして、卒業の日思いも伝える事が出来ないまま離れてしまった私と貴方・・・



その時の最後の『またね。』を


私は忘れないまま、10年の月日が


流れました。私はまだ



貴方が、忘れられなくて同窓会で伝えたかった『愛してる。』・・・



同窓会で出会った貴方は


あの頃と変わらず、私に


笑顔で『久しぶりだね?』と話してくれました・・・



でもこの恋は、伝えられませんでしたね?



貴方の薬指には、イニシャルの


入った指輪。『子供が大きくなったんだ。』と


笑顔で写真を見せてくれた貴方・・・



そこには、幸せそうな家族が居ました・・・



伝えたかった。伝えられなかった。あの頃に戻れたら・・・


でも、不思議と悲しみよりも


変わらぬ貴方に、安心しました・・・



貴方には幸せな家族が居る。思いは伝えらず『またね。』と去る貴方・・・



家族の元へ、変える同級生達。


私も何も無い様子で帰りました・・・


家に帰り、懐かしさと伝えれば受け止めてくれたのかな?



瞳からは、後悔が流れます・・・



貴方には幸せな家族が居る。


私はただの同級生。ただの友達・・・


ただそれだけ。特別ではない。



あの頃に戻れるならば、せめて伝えたかった『愛してる。』



臆病で笑顔を失うのが怖くて


伝えられなかったけれど


誰よりも、貴方が好きでした・・・




卒業アルバムを開き、そっと微笑んだ夜・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る