†今宵誰かが泣いていた†

第4話


今宵、静かな物語・・・


ひっそり。ひっそり


僕は、ひとりぼっちで泣いていた・・・



瞳からは、赤く赤い血の涙・・・



僕は、堕とされた堕天使。


そう、皆天使だった・・・


明るい天の世界は



笑顔が溢れ、楽しかった・・・



僕は翼が無いから


神様に、天使の世界から


この世に、堕とされた堕天使・・・



信じぬ神に、今宵も祈る。



僕に翼を下さい。と・・・


僕を天使の世界に


戻して下さい。と・・・



翼が欲しい。



僕には翼が無い。涙が止まらない僕は


手首を切り裂いた・・・


あったかいね?溢れた血は涙・・・



この僕の涙は溢れた思い・・・



信じぬ神に、祈りは


届きますか?


この切り裂いた手から溢れた涙を見て下さい・・・



この手首からは、鮮やかな赤・・・



神様?翼が無い僕が


嫌いですか?


僕は翼が無くても、天使だよ?



誰も居ない孤独な世界。ひとりぼっち・・・



綺麗に血で染まりあがった


手首で、信じぬ神に


祈りを今宵も、捧げるのです。



神様、聞こえていますか?



独りの堕天使は


この世界で、羽ばたく事も出来ず


明るい世界に、戻れず



ただただ、瞳から血の涙を流すのです・・・



もう一度、明るい世界へ。


祈りは届かない。


翼が欲しい。もう一度



皆と笑顔で、過ごせますように。と・・・




暗い世界に、独りの堕天使。祈りの声は届かない・・・

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