第18話 「早く、魔力をちょうだいよぉ」妖精が魔力を要求している


  【空腹値:18】


 空腹値がまた減り始めてる。


 とにかく、食料をなんとかして、レベルを上げて、か。


 「ねぇ、ショタっ子」


 ん?


 何やら、声が聴こえてくる。


 俺が呼ばれているようだ。


 「なんだ」


 手のひらサイズの妖精らしきのが視界に入る。


 「さっきから見てたのよ」


 「あなた、ナビゲーターが必要じゃないの」


 「ん?」


 「ああまぁ」


 「ナビゲーターがいてもいいな」


 この会話からして、この妖精が、ナビゲートしてくれるという事だろうか。


 「だったら、私がナビゲートしてあげるよ」


 うん、予想通り。


 「見返りはなんだ」


 面倒なので、さっさと妖精の望みを尋ねる。


 見返りもなしにナビゲートなんてしないだろう。


 「魔力が尽きそうなの」


 「魔力が尽きたら、私死んじゃう」


 妖精は見栄もはらない。


 魔力で生きている本当にただの低級妖精だろう。


 しかし、うかつに妖精やモンスターを信じて。


 寝首をかかれても食われるわけもいかない。


 「わかった」


 「安心しろ」


 「すぐ魔力を分けてやる」


 「ありがとうだよぉぉ」


 演技には思えない。


 が、まぁね。

 

 仕方ないよね。


 「あの、なんでコントローラーを抜いてるのかな」


 「君の魔力が尽きる前に終わらせてやる」


 「早くした方がいいぞ」


 「そんなのいいからぁ」


 「早く、魔力をちょうだいよぉ」


 「さぁ、妖精ちゃん」


 「コントローラーを抜け」


 「君にGAMEを申し込む」


 「!」


 ここまで言われて、コントローラーを抜かない生き物がいるだろうか。


 微生物でも石ころでも草食物でも、ここまで言われたら。


 コントローラーを抜かざるをえない。


 それは、異世界だろうと、どこの世界だろうと、同じ事だ。

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