第16話 カードを使って戦えばLUKが上昇するかもしれない


  【最大MGPは上昇しませんでした】


 うん、これもね。


 仕方ないよ。


 魔法、使ってないもん。


 石を投げるのに、魔力使わない。


 【最大LUKは上昇しませんでした】


 運に任せた戦い方。


 ドローや、ダイスロールを使った戦い方をしてれば。


 運は上昇していくのかもしれない。


 もし、このLUKの数値が、闘技に。


 カードゲームに関わってくるなら。


 死にステータス。


 捨てステータスとして放っておくわけにはいかないな。


 考えておくか。


 なんせ俺は、デッキはもう持っている。


 【最大CHAは上昇しませんでした】


 これは、1も上がらなくて仕方ないし。


 魅力・カリスマ上がるような事してますか?


 うさぎを生で食ってる人間に、なんの魅力があるというのだろうか。


 下がらないだけまし。


 下がってもおかしくない。


  んー、さて。


 カードを使って戦えば。


 LUKが上昇するかもしれないが。


 デッキを確認しようにも。


 空腹値は減っていく。


 今は、石投げてうさぎを狩るか。


 いや、俺はそんな凡庸な人間なのだろうか。


 LVが上がる事に、前世での感情が。


 僅かに芽生えてくる。


 「システムよ」

 「デッキをシャッフルしろ」


 【受けたまわりました】


 【デッキは既に完全なランダム状態にシャッフルされた状態ですが】


 【ご要望通り再度】

 【完全なランダム状態にシャッフルされます】


 異世界とは、面倒だったり。

 不便だったりだな。


 うさぎの生肉を食わなきゃいけなかったり。


 自らの手でシャッフルする必要がなかったり。


 【気持ちの問題ですが】


 【デッキは再度】


 【完全なランダム状態にシャッフルされました】


 「さんきゅー」


 【私達システムに礼は必要ありません】


 「システムが、俺に口答えするな」


 【これは、失礼しました】


 【ちっ】

 【うるさいですね】


 「あぁ!?」


 「システムよ」

 「君。今、舌打ちしたな」

 「悪態ついたな」


 異世界のシステムというのは、こういうものなのか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る