異世界転生ボーナスでチートスキル押し出し風属性Bランクスタートして先攻1ターンキルされました。異世界のカードゲームってクソゲーですね

甘いからあげ

第1話 「貴方のチートスキルはそれですよ」「押し出し風属性Bランク」

 

  「鳥取勲、貴方には異世界転生をしてもらいます」


 突然、女神だか精霊だか天使なんだか。

 

 そんな存在に、異世界転生を告げられた。


 してもらいますといわれても。


 「そんな事言われても困るよ」


 「まず、異世界転生ボーナスのチートスキルを教えてくれよ」


 「俺がチートスキル貰えても、転生先の連中もチートスキル持ちが当たり前だったら」


 「ノーマルモードじゃん」


 「俺、ベリーイージーモードじゃないとやりたくないんだよね」


 !


 突風で、体が動かされる。


 動かされる先には、扉がある。


 このまま、異世界転生されてしまう。


 「貴方のチートスキルはそれですよ」


 「押し出し風属性Bランク」


 !


 「押し出し風属性」

 「チートスキルの名前がださい」


 「Bランクじゃチートスキル感が薄い」


 「せめて、Aランクにするか」


 「風属性Bランクで汎用性を高めるか」


 「チートスキルの変更を望むね」


 「そうじゃなきゃ、異世界転生なんて」


 俺が何を言っても、もう扉の向こうに押し通される。


 「それじゃ、いってらっしゃい」


 「頼みますよ」


 「英雄鳥取勲」


 「え?英雄?」

 「俺、英雄なの?」


 「ええ、そうよ」


 「貴方は英雄よ」


 「そして、異世界でやり直しなさい」


 「また、貴方は前世の世界に戻ってきます」


 「えぇ、めんどくさ」


 「異世界でやり直して、また前世に戻ってって」


 「今ここで、SSSチートスキルくれて」


 「それで、前世に戻ればよくない」


 あ、扉の向こうに押し出されてしまった。


 まぁ、そんなに本気で踏みとどまってなかったし。


 

 ー---ー--


 「面倒なのは、貴方ですよ」


 ー-------



 扉の向こうに追い出されると、消えていた前世の記憶が戻ってくる。


 んー、これは面倒だ。


 オロチ、ユリウス・カエサル、シャルルマーニュ・ナポレオン・イヴァン雷帝・李書分。


 俺に、なんとかしろって?


 なんで俺がそんな事しなきゃいけないんですかね。


 そういうのは、唯一オロチを殺せる手段。

 草薙の剣を使える英雄堀口明徳の仕事でしょ。


 堀口明徳の親友にして常設英雄の古角安次郎もいるし。


 なにより、水守一族がいるだろうに。


 なんで、俺が世界を救ったりしなきゃいけないんですかね。


 はぁ、まったく。


 なんだかどこかに流されていくので、流されるままに流されている。


 記憶が、消えていく。


 意識も薄くなっていく。


 このまま、異世界転生か。


 俺なんかに、世界は救えませんよ。



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