第61話

「では最後に伺います。ずばり、雪花とは。」



インタビュアーさんからの質問に、雀は少し考えて笑った。



私をまっすぐに見て。



「ただの、恋する男です。」



その視線を追うように、部屋中の視線が私に集まる。それが気にならないとは言わないけど、なぜか平気なのは。



雀から視線を逸らしちゃいけないと、思ったからだ。




きっと、シンプルな話なんだと思う。



不思議な予知夢を見る男がいた。男はその夢に出てくる雪女に恋をした。雪女を想い続けるあまり、全てを捧げた男は、こうして雪女を手に入れた。




その男は雀で、雪女は私だった。



物語のように、決まった恋物語。そこから外れることなく私たちが今一緒にいるのは、きっと夢が決めた運命なんだろう。



雀は、まだ予知夢を見ている。疲れ果てた様子で朝起きる時もある。



できるなら、その苦しみを私も半分背負ってあげたい。それができないどころか、現実で迷惑をかけている自分が嫌で仕方がないけど……



私は、雀をまっすぐに想い続ければいい。それが、雀の望むこと。



それは私には簡単なことだから。



だからいつかは、雀を支えられる大人の女性になりたい。



笑顔がこぼれた。

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