第402話
「「「お疲れさまです!!!」」」
「・・・ああ。」
1階に降りれば、白虎の面々が一斉に頭を下げる。
開いた道を進み、車の後部座席に乗り込む。
「いつもの所だ。」
「はい。」
もう半年近い習慣は、運転手を自然とその場所へ導く。
背もたれに背を預け、そっと眼を閉じた。
「着きました。」
「ああ。2時間後、迎えに来い。護衛は白石たちがもうこちらに向かっているはずだ。」
「分かりました。」
開いた扉から出ると、凍てつく寒さが身を包んだ。
そういえば、明日はクリスマスだ。あの時は、ゆいかと過ごすことを信じて疑わなかった。
自分を嘲笑して、歩を進める。
向かった先は図書室だ。
ゆいかは空き時間の殆どを、図書室で過ごす。
俺たちに出会う前は、繁華街の先の図書館にも行っていたらしい。
本好きのゆいかのために兄貴が学校に大量の本を寄付し、ゆいか専用の読書スペースまで作ってしまった。
カフェスペースもあり、その辺の図書館より設備が充実している。
ちゃっかり冷暖房も完備したから、サボりに来る白虎の奴らも少なくない。
定時制のゆいかの教室は、図書室の隣にある。
兄貴が彼女の趣向に合わせた室内は、彼女にかなりの居心地の良さを感じさせるらしく、休み時間だけでなく、授業後なんかも時々、本を読んで過ごしている。
図書室は、唯一彼女を感じる場所。
冬休みの今、学校でゆいかに会える機会がない。
次に会えるのは、組の新年会だろう。
カツン・・・カツン・・・
自分の靴音のみが廊下に響き渡る。
白石達が追いつくのは10分そこらだろう。
あいつは一度ゆいかを攫われてるから、護衛には人一倍神経質だ。
俺とゆいかを一緒にするなと、苦笑いが漏れる。
カツン・・・
(・・・??)
図書室の扉の前に立つと、部屋の電気が着いていた。
(白石達か?)
そう考えたが、首を振った。
あの女をすぐに捨てて来ても、流石にあと10分はかかるはずだ。
・・・とすれば。
嫌な予感が頭を過ぎる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます