第76話 コミュ障ぼっち、ただし最強
さて、なんとかタロウ君というパートナーを見つけることができたのだが……エレモンバーサスか。
折角組んでくれたのにタロウ君の自信を喪失させてしまうかもしれない。
しかし、そんなことを考えてる暇はない、俺はこの国で旅をして、ゴッドリーグを目指すついでにクイーンに景色を見せる目標がある。
『最初相手を心配してるいい奴と思ったら、急に全然相手を考えないなんて……暴君みたいじゃない!! まぁ、王にはそういう側面も必要と思うわ』
王だからね。さて、相手とバーサスをしよう、俺が出したのは……
ボルガン
身長・体格: 約130cm(直立時の高さ)、筋肉質でがっしりとした体格。
頭部はリザードマンの特徴を持ち、鋭い顎と角張った顔立ち。額には雷を象徴する紋章が光る。毛はなく、全身が黄金色に輝く鱗に覆われている。鱗の間に稲妻のような模様が走る。
顔立ちは爬虫類特有の冷たさと、知性を感じさせる眼差しを持つ。深紅の瞳が鋭く輝く。
両肩と前腕には雷を宿す金属製の防具を装着。背中には稲妻を象徴する短い突起状の装飾がついている。
ざっくり言うと、リザードマンの神獣版とも言える外見で、二足歩行が基本。尾も長く、バランスを保つ役割を果たすらしい(かっこいい)
──【Lランク】、雷神とも言われるダークヴォルニアに進化できる。
俺は元々雷神を持っていたのだが、それは和ノ国編のゲームでプレイした時に最初に持っていたエレモンだ。
今、主人公ヤヨイが持っているボルガンが進化した個体だ。
最近はグレンと戦闘を繰り広げているともっぱらの噂である。さて、話が逸れたが、ゲームを続けてその後、2体目を進化させて捕獲したのだが、
それはメス個体だった。最初のダークヴォルニアはオス、2体目はメス。
ゲームではオスとメスが居ると卵ができる可能性がある。
そう、この個体は言わば主人公の使っていたエレモン2世なのである。要するには、ヤヨイのボルガンの息子である。
まぁ、別世界だから関係ないかもだけどね。ある程度までは前世で育てていたのだが、レベルが戻ってしまった。
なので、これを機に育て直すことにしたのだ!!
【ランク】A
【説明】
戦の申し子の一族。戦いに明け暮れて根元に至ろうとする。しかし、戦の申し子は存在が否定されている
【パッシブスキル】
- 雷鳴の威圧:
・バトルフィールドに出ると、全ての敵の「俊敏」を10%減少させる。また攻撃力が50%アップする
【アクティブスキル】
「技名」雷刃
「威力」40
「範囲」単体
「消費魔素」10
「追加効果」
「命中率」90
「備考」
「系統」雷
「覚えるレベル」1
【ステータス】
レベル5
「攻撃」80
「防御」15
「魔素」15
「俊敏」60
「生命」30
(隠しステータス+99を全てに振っている)。
『駆け出しにしてはおかしいくらいの戦力ね。相手はかなり初心者だって言うのに』
タロウくんはレッドウッキー。赤い猿型のエレモンを出してきた。Eランクエレモンであったはずだ。
「あ? え?! ボルガン!? Aランクとはすごいね!」
「えへへ、どうもー」
「あ、普通に照れるんだ」
結構ちゃんと褒めてくれた。嬉しい。
「まぁ、勝てなそうだけどバーサスしよう。レッドウッキー、レッドパンチ!!」
レッドパンチ、火系のアクティブスキルだ。なるほど、なかなか早いな。
「左1、【1番】」
雷刃と言うアクティブスキル。正直、奥義化もしてないので、威力は40ほどである。
しかし、そもそもがボルガンは攻撃俊敏特化。それに加えて隠しステータスは振り終えている。
それ故に
容易く、一撃で勝負は決まる
眩い青白い稲光を纏い、立ち上る電流の火花が周囲の大気をビリビリと震わせる。
ボルガンは真っ向にから、駆け抜ける。通り過ぎる直前に相手を右前足で切り裂いた。
敵を真っ向から捉えた瞬間に雷が迸り、命中した部位に深い切傷と感電の追加ダメージを与える(手加減はしてる)
「……これ、初めてのバーサスにしては難易度終わってるだろ!!!??」
タロウくんは唖然とした表情で叫んだ。彼の声が空に響いた。レッドウッキーが心配なのですぐさま治してあげることにした。
「これ、体力回復する木の実」
「うきいい!!!!???」
「いや、俺のレッドウッキー元気なりすぎ!!!??」
あれ、質が良すぎて前より元気になってしまった。まぁ、よしとしよう!
◾️◾️
その日、私は初めて見たんです。
私と同じような才能を持つ人間を。
能面を被っている少年。その隣に彼が手を繋いでいる少女。彼女は彼と手を繋いでいた。
ボルガン、私と同じエレモンを持っているようですね。なるほど、ほんのわずかですが、この旅の楽しみができました。
私に比べたら大した才能がないに決まっていますが、なかなかどうして面白そうじゃありませんか。
私は全ての才能を持っている。それゆえにこの世界はつまらない物でした。
「あ、私の負けか……」
「貴方もすごい実力でしたね。今後も頑張ったら伸びると思いますよ」
「え!? 本当!」
私は才能がある故に、負けた相手にも優しい。相手が折れないように優しい言葉をかけることができる。
そういえば、あの弟もいたんでしたね。ずっと私を見て、睨んでいますが……全く、睨みたいのはこちらの方なのですがね。
私を捨てた両親に育てられた弟。まぁ、たとえ肉親であろうと凡人の家庭、その子供に興味はないのですが。
弟は私にコンプレックスでも感じているのでしょう。しかし、私には決して敵わないと心のどこかで理解をしているのでしょう。
そう、私は天才だから。全ての才能を持っているから。
「ぼる」
「えぇ。彼……いえ、彼と彼女と、ボルガン、面白そうですね。こんなつまらない講義に出た甲斐がありました。面白そうなのがいるじゃありませんか」
ボルガンも気になっている様子ですね。ふふ、では、少し突っついていてみましょうか。
彼がどこまでの才能があるのか。気になりますからね。
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