第16話 ようこそ! アムダ島に!!

「うぎゃああああああああああああああ」




 ラリラ博士は発狂をしていた。彼女の目の前にはテラゴラムが二体存在していたからだ。



 彼女は所謂高ランク、エレモンを調べているらしい。だから、彼女には見せてあげた。


 ワクチンとか、研究で分かったことは教えてもらうと言うことを条件にしてだけど。



 現実とゲームは違う、この世界では病気とかも存在しているらしい。彼女は天才で、最年少で博士になったエリートらしいから雇うことにした。



 因みに我が会社は給料は特に高くなく、俺の指示には絶対逆らえない素晴しくホワイトな会社である。




「あ、あがぁ!? て、テラゴラムですよね!?」

「は、はい。へへ、かっこいいですよね」

「いや、その、世界に一体だけしかいないって言われてましたよね!!? あれ!? そもそも存在が疑問視すらされていましたよね!?」

「へへへ、ちゃんとかっこいいですよね」

「いやもう、カッコイイことは分かりましたよ!? アムダ様!!」




 彼女は俺のことをアムダ様! と呼ぶ、俺は元教え子だけど、彼女はあんまり気にしてないみたいだ。




「テラゴラムが見られるのは嬉しいですけど……こんなあっさり解決するのはなんか、違うような……」

「え、じゃ、格納したほうが……」

「いや! 見せてください!」





 彼女は手帳に沢山メモをしている。




「うーむ、最近遺跡とかを調査してたけど……本物が見れるとは。ぐへへ、これは楽しみですねぇ」





 ニヤニヤして涎を垂らしながら、眺めたり、触ったりしている。暫くして調査を終えると、彼女はこちらに歩いてきた。





「さて、荷物とかなんだけどここに持ち込んでもいいですか?」

「ど、どうぞ」

「じゃあー。どうしよ……えっと、テレポートとかできますか?」

「ホーリーマジックモンがい、います……え、えとそれでラリラ博士の荷物を」

「そうですかぁ! ありがとございますアムダ様!」





 ホーリーマジックモン、光系統。Sランクのエレモンだ。主人公モエが進化前のミラーマンを持って大会に出てた。


 ゴッドリーグテイマーグレンもスタメンに入れてる。




「ありがとございます!」

「あ、えと、敬語じゃなくていいですよ……」

「そう? ならそうしようか……あー、でも先生の時も敬語だったし、こっちの方が違和感ないですね」




 先生だった人にずっと敬語はね。タメ口で大丈夫だぜ! でも、ラリラ博士はこっち方があっているようだ。




「ホーリーマジックモンはグレンも使ってました。アムダ様も持っていたとは……」

「へへ、持ってます」

「Sランクとか、Gランクとか、Lランクとか全部持ってます?」

「えと、はい、基本的には……」

「マジかよ。この島に放ってるわけか……この島はなんて名前なんですか?」





 はて、この島の名前か。考えたこともないな。なんて言うのが正解なんだろうか。




『アムダ島にしなさい』




 はっ! 急にクイーンの声が頭の中に!? い、いきなりすぎてびっくりしてしまった。



 きっとどこかで俺のことを見ているのだろう。



 アムダ島にするか……





「あ、アムダ島です」

「へぇー。そうなんですね。こんな素晴らしい島は初めてですよ。全てが未知だからねぇ」




 ──そんなこんなで彼女の荷物も持ってきた。彼女はパソコンを沢山保有していたので一つもらった。




「アムダ様は今後どう言うことをしたいと思っているんです?」

「え、えっと、お金沢山、エレモンのレベル上げ、島を過ごしやすいように改善……」

「なるほど」

「あ、え、えと、あと、た、旅をしたくて」






 クイーンが言っていた。





『一部、旅に出たいエレモンも居るの。レベルダウンしてしまったエレモンをね。それと旅に出てもいいんじゃない』




 ただ、レベル上げるならいろんな方法がある。だけど、それだけだと少し勿体無いとも思っていた。


 折角、エレモンが居るのだからゲームとは違う部分を自分で見ていきたい。一から地道に育てるのも悪くない。

 




「アムダ様が旅に出たいんですね。まさか、テラゴラムとか連れてかないですよね? 街破壊しながら旅することになると思うけども」

「さ、流石に連れてかないです……色々居るから……。厳選した6体くらいを」

「ふーん、良いんじゃないですか? エレメンタルコードを集めてゴッドリーグテイマーには?」

「リーグは面倒、ら、らしいから」

「あぁー。しがらみとか色々ありますしね。別のことで稼いだほうがいいかもですね」

 



 動画とかあげたら高校収益とか貰えるのかな……? 




「動画投稿、とか、どう思います?」

「アムダ様の動画かぁー。あの未知のエレモンなら、動画再生回りそうですねー。僕みたいな博士とかなんかにたまらないです。そうだ! 僕が解説とかしますよ」

「え?」

「ほら、僕って天才美少女で有名ですから。もう、昔から可愛い可愛いで有名じゃないですか? とりあえずサムネは僕と珍しいエレモンにしておけば再生数はガチ上がりますよ!」

「知りません、でした、び、美少女? なんですね……へ、へぇー」

「知っておいてほしかったですよ。エレ塾の時もめっちゃ可愛い先生って思ってくれてましたよね!?」





 あ、あんまり人間の顔面とかって気にしないからなぁ。まぁ、美人とは思うけど。ただ、この世界の人間って基本全員顔立ち整ってるし。


 まぁ、ラリラ博士は美人っていうのはエレ塾の時も言われてたような気がする。




「本気出すなら、僕が水着になるのが良いんですけどね。サムネインパクト強いし」

「……俺、あんまりそういう感じで人を釣るの好きじゃなくて……俺のエレモンで人を釣りたいです」

「あ、うん。分かりました。控えめの方向で行きます」







【ジークグラモン】、とか出したらお金とか貰えるのか。あんまり、見せびらかすのは……正直嫌いじゃない。だって、俺のエレモンかっこいいからね!!


ネット対戦で勝った時も、昔は動画投稿してたし。へへへ、これでも前世でもチャンネル登録者4万人はいたからね……





「アムダ様が最初に出した、黄金のドラゴン。あれって、ジーググラモンですか?」「そ、そうです」

「あーやっぱり、そんな気はしてたんですよね……まじかよ、古代兵器持ってるんですか……超古代文明は知ってますか?」

「え、ええっと、テラゴラムとウミノゾアが大地と海を作った後、超古代の文明が栄えて、そ、その兵器の名前が、ジーググラモン……黄金のドラゴンだから、この星を作ったスタードラゴを元にして作ってて」

「待て待て待て、こっちが知らない情報が多すぎるんですけど? あの僕博士をしてまして、先生もやってまして。全然知らない話ばっかりだったんですけど」





 あ、ここら辺は知らない話なのか。俺の場合はゲームで解説とか、電子書籍で設定資料を見てたから……



「スタードラゴって、なんですか? 知りません」

「あ、えと、色々あって」

「説明するの面倒になってますよね! 博士知りたいです!! 博士知りたいです!!!」




 はぁはぁ、と息を荒げながら近づいてくる……。



「は、博士、落ち着いてください……」

「は! そうですね、博士は落ち着きます」

「安心、しました……と、取り敢えずジーググラモンは出してみます」

「エレモン出して、それをアムダ様と博士である僕で説明しましょう。ほら、僕行方不明で大騒ぎなってますから、いろんな意味で話題になりますよ。アムダ様も最近大会で優勝してコード・バトラークサウチに完勝してますし」

「あ、そ、そうですか?」

「なんだったらカップルチャンネルにされますか?」

『──調子乗んな』




 急に頭の中にクイーンの声が響いた。どうやら、俺だけでなくラリラ博士にも聞こえているらしい。





「あ!? きゅ、急に博士である僕の中に声が!?」

『テレパシーよ。初めまして博士。Lランクエレモン、クイーンフォックスよ。この島のクイーンだから、そして、彼はこの島の王であり、アタシのキングなの。カップルチャンネルとか訳わからないこと言ってないで普通に動画を撮れば良いでしょう? それで済むでしょう』

「わうあああああああ!! す、すごい!! テレパシーを使えるエレモンがいるなんて!! いや他にもいるけど、こんな細かく言語操るなんて!!! クイーンフォックスなんて聞いたことないし!!」

『聞いてるかしら?』

「あああああああああ! また声したぁぁぁぁあ!!!!!」

『……いや、テレパシーで話してるのになんで喜んでるの? 少しはビビったらどうなの?』




 あ、あのクイーンが引いている……だと!? 流石博士、変わってる。




──そんなこんなで、ジーググラモンの動画を投稿した。サムネはジーググラモンだけで、俺と博士が両方登場して、適当に解説をした。






 その日は疲れたので、寝た。次の日、エレフォンにモエとチカから連絡が来ていた。



『アムダ君!? 動画すごい反響になってますわよ!!』

『アムダ君ー、有名動画投稿者が友達に居るって、僕をいじめてきた奴らに自慢したいんだけど、僕のエレッターのフォロー返して相互フォロワーになってよ!!』

 




……無視して、二度寝しよう。





 島にはテントが一個ある、俺の寝床なのだが最近ラリラ博士が来たので彼女もここで寝ている。




「……すぴー。あ、アムダ様、お、お許しください……そ、そんな、そんなSなプレイは……」



 なんだ、この変な寝言……エレ塾の時はもっと普通の先生に見えていたんだけど……。まぁ、彼女が天才なのは間違いないし、天才ってどっかズレてるよね。これぐらいがちょうど良いのかもしれない。


 彼女は気持ちよさそうに寝ている。そして、俺の隣には武者マルが寝ている。




「むしゃ!」

「……二度寝やめて、やっぱり二人で散歩にでもいくか?」

「むっしゃーーーー」





 俺達は島を散歩することにした。





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