第8.5話 アムダ君に可能性を見出したマエストロ達の反応集

1名無しテイマー

【速報】アムダ君、【森羅の導きの大会】で無事決勝進出。なお決勝相手はグレンの娘のモエの模様


2名無しテイマー

見てたわ、ヴェルディオンが強すぎて笑った。こいつ、どうやって捕獲してるん?


3名無しテイマー

明らかに他のテイマーと一線を越えてる、これゴッドリーグでも行けるよ


4名無しテイマー

グレンみたいなのがきたな


5名無しテイマー

ゴッドリーグの試合ってさチケット高いし、なかなか取れないから。こう言うマイナー大会で面白いの見れるの嬉しい


6名無しテイマー

コード・バトラーとのエキシビションマッチ楽しみ


7名無しテイマー

まだモエが負けると決まってないだろ


8名無しテイマー

いや、逆にこいつにどうやって勝てって言うんだよ。モエは駆け出しだろ


9名無しテイマー

アムダも駆け出しだろ


10名無しテイマー

こいつ絶対駆け出しじゃない。指示とか小慣れてる感じあるし


11名無しテイマー

意外と声が大きい、指示が的確だし


12名無しテイマー

こりゃ勝つね


13名無しテイマー

それよりも準決勝でアムダに負けて、大泣きしてた女の子が可愛かった


14名無しテイマー

チカでしょ。アムダ君とモエと同じエレ塾だったらしいよ。成績は常にアムダ君一位、モエが二番目、その次チカで固定だったらしい


15名無しテイマー

対戦前『アムダ君、ボクに勝てるかなぁ? 負けたらざーこって煽ってあげる』

対戦後『うわぁぁぁあ。負けちゃったぁぁぁあぁ』


情緒よ


16名無しテイマー

良いキャラしてるじゃん


17名無しテイマー

メスガキみたいな格好してるし、言動もメスガキっぽいよね。アムダと戦うまでちょっと相手を煽ってたし(準決勝でアムダ君に完全敗北の模様)


18名無しテイマー

このメスガキ分からされるのが早いのよ


19名無しテイマー

チカと対戦した時のアムダ君


対戦前『え、えっと? 俺、チカさんに、負けたことないし、今後もないです……あ、あれ? なんで怒ってるの!?』

対戦後『あ、泣いちゃった。泣けるってことはそれだけ真剣だったってことだから……え、えと、頑張って、え、えと、さ、才能あると思うよ……あ、えと、でも俺には勝てないから他の人に沢山勝って自信をつけて、いこう』




20名無しテイマー

いや、鬼畜笑


21名無しテイマー

このオスガキがかあああ!!!


22名無しテイマー

こっちのオスガキの方が最高にオスガキしてるんよ。天性の煽り感覚持ってる


23名無しテイマー

コミュ障陰キャみたいな感じだけど、実際は傲慢の化身みたいな言動してるの笑う


24名無しテイマー

エレモンだけは絶対に負けない、俺が1番じゃないなら誰が1番なんだくらいの感覚持ってそう


25名無しテイマー

それくらいの方がいいよ。面白いし


26名無しテイマー

凄腕テイマーに倫理とか正直求めてないんよ


27名無しテイマー

そうそう、正直、面白ければそれでいい。グレンも昔尖ってたけど勝ってたから見てたし



28名無しテイマー

決勝早く出せよ


29名無しテイマー

楽しみ。観客席もめっちゃ盛り上がってたし


30名無しテイマー

実況のフルーツ系アイドルもめっちゃ褒めてたよ







◾️◾️







「負けちゃったぁあーーー!! うわぁぁあぁん」




 ワタクシは幼馴染のチカを撫でていた。理由は彼女が、アムダ君のヴェルディオンに完全敗北してしまったからだ。



 観客席に座りながら、彼女を撫でる。ワタクシはこれから決勝があるが。それが行われるまでは時間があるのでここで幼馴染を慰めている。





「ねぇね! ずるくない!! 絶対にあれ駆け出しのエレモンじゃないって!! ずるいって! アムダ君はんぱないっって!! あんなステータス差があるとか思うわけないじゃん!! 全部ワンパンじゃん!!」

「はいはい、悔しかったんですわね」




 もうこのやり取りも何回もしたことか。彼女を慰めていると実況の声が聞こえてきた。



 観客席と闘技場は隣接しているが、闘技場にはこちら側観客席の声は聞こえないようになっている。ワタクシも戦っている時は全く観客の反応は気にならなかった。


 闘技場には、更にリングのような物が作られている。テイマーは入れないが、エレモンだけがそこに乗ることができる。


 相手を倒す。そこから相手のエレモンを場外にすれば勝利、スタメンエレモンを倒したことになる。



『さぁ! 【森羅の導きの大会】も盛り上がってまいりました。決勝戦が間もなく行われます! 実況は引き続きフルーツ系アイドル【ミックスジュース】の【レモン】と──』

『【リンゴ】で行うよぉー』

『ここまでの振り返りをしていきましょう! 【リンゴ】はどう思った?』




 ワタクシはずっと闘技場の方で戦っていたから知らなかったが、どうやらフルーツ系アイドル『ミックスジュース』と言う方達が実況していたようだ。


 確か、年は18歳くらいの人たちだったような……あんまりアイドルとか興味ないから知らないけども



 レモンと言われる人は金髪で可愛い見た目、リンゴと言う人はダウナー系と言うかゆるふわな感じで美人という感じだろうか




「えっとねー。あのアムダ君って子が気になったねぇー」

「最近話題の子ですね! 実は私も気になっていました! あの新種のエレモンを持って私達のエレチューブ動画出てくれないかな?」

「あー、そだねー。再生数は伸びそうだねー。まぁ、それよりもヴェルディオンに驚いたなー」

「あ、あれ! 確かにすごかったです! 存在感が際立っていたというか!」





 確かにワタクシもそう思った。アムダ君のヴェルディオンはどうにも、他とは違う素材で出来ているんじゃないかと思わされる。



 正しく、文字通りの意味で次元が違う






「モエさんもすごかったですよね! リンゴちゃんも写真撮ってたし」

「流石グレンさんの娘さんだよねー。いやー、すごいすごい、あの【姫マル】はグレンさんの【極マル】の子らしいね。【武者マル】からメスだと進化して【姫マル】になるから」

「姫マル、すごい動きが躍動してましたね。決勝のアムダ君とモエさんはエレ塾では成績上位だったそうです」

「それくらい優秀じゃないと説明つかないよねー。あー、でもアムダ君は説明されてもよく分からないくらい強そうだけどー。わたしとしては、あの黄金のドラゴン使って欲しいなぁ」




 アムダ君は、あの黄金の機械仕掛けドラゴンを使わない。ヴェルディオン一体全てをなぎ倒している。



 もし、仮にヴェルディオンを倒したとして……次に来るのは……





 いや、考えるのはやめよう。勝ち目は薄い。かと言って負けを認めて勝負するわけにはいかない。




「ワタクシ、勝つつもりで行ってきますわ」

「モエちゃん、頑張ってね。ボクの仇打ってね……が、がく」

「死んだふりをしないでください」

「終わったらさ、スーパーで半額の弁当とか寿司とか買って、ホテル泊まって反省会しよ!!」

「……まだ、負けてないから祝勝会の可能性もありますわよ」






──こうして、ワタクシとアムダ君の決勝が始まる










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