第11話

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「あ、華城おかえり。」



「ん。(……ただいまが正しいのか?)」





結局、シャワーで済ませることになり、後から行かせてもらったのだが。


戻ってみると、


(すごい、濡れてる。)




先に済ませていたはずの遠藤が、髪を滴らせ、スマホをいじっていた。






「遠藤、髪いいの?」


「あー、俺はいーよ。」


「そ?なら、ドライヤーしまっとくわね。」


「ん。悪いな。」





ソファーでうつ伏せにスマホを触る遠藤は、顔を上げ、軽く髪をかきあげた。



滴る水滴でTシャツが色を濃くしていく。


私は、自分が使っていたタオルを遠藤の頭にかけ、わしゃわしゃと乱してみた。


(風邪、ひくよ。)




「ん、拭いてくれんの?」





やさしー、華城、とスマホを放り、ソファーに座り直した。



そんな遠藤の前に立ち、タオルドライをしていると、目があって、ふにゃりと笑って、それは、気持ち良さそうに目を瞑った。



今にも、眠ってしまいそうだ。


(また、無理してるんだろうな。)

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