第51話

だけど、





カチッとドライヤーを止める音が聞こえて









「・・・それは、できない。」



と一切の躊躇いを含まない声が後ろから聞こえてきた。








はっと思い、口元を押さえるが時すでに遅い。




もう、2度と口にしないようにしようと思っていた言葉が漏れてしまった。








「………ごめ、ごめんなさい。」




「…違う、違うよ、秋乃。怒ってる訳じゃない。」









ドライヤーをそのあたりに置いて、




「俺、今から情けない話するから……何も言わず聞いてくれるか?」







本日2度目の腹部の温もりを感じ、ソファに引き上げられた。




同時に、肩に重みを感じ、私は、僅かに頷く。








そして、佐々木さんが口を開いた。

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