幼馴染な関係① 六道 三夏

第32話

「はぁ・・。」




ふいに自分から出たため息が

思いの外大きく出てしまってハッとする




新学期はやることが多く意外と思った以上に

気を張っているのかもしれない




あの目立つ二人と離れて行動している時も

この学内では常に人目にさらされている




この知名度を嬉しくも鬱陶しくなる日もある



役に立つことも多くあるけど

そうではない時も多くあるのが実情だ




自分の考えに入り込んでしまっていたのか

よそ見をしていた俺はふいに前に現れた小さな人を

見逃していたらしい



トンっ



当たった衝撃の軽さに驚きながらも

咄嗟に手を伸ばす




「わっ!」




高すぎず柔らかい声の持ち主と

ぶつかってしまった




「すいません」




「こちらこそすいません!!」



彼女が衝撃で倒れないように

掴んでいた手の細さに申し訳なさを覚える

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