第25話

これだけ離れた観客席からでも

彼らの優れた容姿がわかる




これはファンが大勢いる理由も分かった



今だに女子たちの歓声が鳴り止まない中

私はあの人から視線が外せないでいた




彼らの視線は想太に向かっていたのに

ゆっくりと彼らの視線が私たちに向かうのを

感じた




込み上げる感情が再び私を揺さぶった




こんなとこで泣くわけにはいかない




必死に両手を握りしめる




彼の瞳も揺れ動いた気がした



その瞬間メガネの人が彼に声をかけたのか

視線が外れる

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