第10話

私は座っていた椅子から立ち上がり



『こんにちは!ツボミ、彼氏ー……』




聞こうとしたのに前には大きな壁が。





『ツボミ。誰だそいつ。』



ライオンさんのご登場だ。




『カケルって言って、私の大好きな人!』





まぁ!はっきり言うのはやっぱりヨウの血筋かしら!




『中学生の頃から付き合ってるの!』




あら!!初耳!!





そこまで話すとカケル君は





『交際を認めて欲しいんです。』




“始めは、何でツボミの親じゃなく祖父、祖母なのか不思議でした。”




“でも、ツボミが言ったんです。”






きっと、誰も何も言わないのは




カケル君がサトルに似てるからなのか




ツボミが幸せそうな顔をしてるからなのか





分からないけど……






私は大きな壁の後ろで、何故か涙が流れてきたの。

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