第40話

『父ちゃんはすげぇに決まってんだろ!!ヨウとなんか比べてんなよ!!』




『俺にはユウヤさんより親父の方に憧れがあるように見えるけどな!』




『んな訳あるかっ!!』





布団を頭まで被って、ソラに背を向けた。





どいつもこいつも言いたい放題言いやがって!!




そして小さな声で




『素直にならなきゃ、見えるもんも見えねぇよ。』





って聞こえた気がした。





きっと、どこかで分かってたんだ。




認めたくねぇのは、無愛想野郎が無愛想だからとか




ユウカの旦那だからとかじゃないって。




無愛想野郎が




小さい頃から




いつだってユウカの側にいて




姉弟の俺が知らないユウカの笑顔を知ってるのに




ただ嫉妬してただけなんだって……





本当は分かってるのに




知らない振りをし続けてたんだ。




旦那とか1人の男として認めてやる、最後の最後まで。




素直に『ヨウ兄』と呼ぶことは無かったんだ。

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