美桜side

｢名乗るほどの者じゃないよ

それに言ったじゃない

『ただの通りすがり』だって｣

そういった彼女はとても綺麗に笑っていた

それを見てあたしは思わず、顔が赤くなってしまった

だから、気づいたら彼女はいなくなっていた

｢あ、やってしまったぁ｣

あの人が余りにも綺麗に笑うから惚けてしまった

お礼したかったのに

自己嫌悪に浸っているとバイクの音が聞こえた

｢っっミオ！｣

｢海！｣　

海が私を抱きしめた

それだけで私は安心することができる

｢怪我してるじゃねぇかよ！｣

｢あ、｣

そうだ顔とか殴られたんだ

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