第9話

雑貨屋を出て家に帰る途中…



ユカは携帯を出しては電話を掛け始めた。



『ナオ?ごめんね。すぐ終わるから下まで来てくれないかな?』



相手はユカの親友の三井ナオだ。



『あ…うん。もう下に着くから。』



街から近い三井ナオの家。



俺等が下に着くと



『サトルちょっと待っててね。』



と言って、俺から手を離して三井ナオの元に駆け寄って行く。



この手を離す瞬間が嫌いだ。



ユカがどこか遠くに行っちまう気がしてな。



ユカは俺だけのユカなんだよ。



他の男に渡す気なんかねぇ。

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