第82話

リョウが出ていくのと入れ違いにユウヤとライトが戻って来た。



やっぱりレントはいない。



ユウヤは私の顔を見てまた優しく笑った。



アキラは立ち上がり



『ユカ、悪ぃな』



とリョウの後を追うように部屋から出ていく。



ライトはさっきいた布団に座り、ツバサは私の横に立ったまま。



ユウヤは私の前にしゃがみこみ



右手を頭に乗せて頭を撫でながら言った。



“そろそろ、本音で話してくれてもいんじゃねぇか?”



ってー…



“俺等には曝け出してくれてもいんじゃねぇか?”



ってー…




“お前が本音で話したって誰もお前から離れたりしねぇよ。”



ってー…



“誰も見捨てたりしねぇから、安心しろ。”




ってー…



“例え離れたとしても、俺だけはお前から離れねぇよ。”



“離れらんねぇんだ。”




“ユカの側から。”




そう言ってユウヤは寂しそうに笑った。

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