第60話

『てかツバサ…リョウとアキラは?』



『あぁ、先に向かってるよ。』



『何処に?てか何で私まで行くの?』



『着いたら分かるよ!ユカちゃんには居てもらわなきゃ困るんだよ。』




何が困るか分からない。

何処に行くのかすら教えてもらえない。



かと言って、ここから逃げ出すのは無理に等しいし…




どうする?どうしよう。




このまま連れ去られて…私…




生け贄にでもされちゃうんじゃないだろうか!!




『ユ、ユウヤ!私、美味しくないよ!ほっほら!リョウとかの方が美味しいんじゃないかな?可愛い顔してるし。てかなんならユウヤが…』




『口塞ぐぞ』




そして睨んでくる。強い瞳は冷たいけど…どこか優しさがあって




そんな目力に負け私は


『…はい。』



と言いながら窓の外に視線をずらした。

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