第5話 2008年7月25日(金)稲ちゃんと朝の鳥居

第一集 コンコン山物語 2008年7月ジオログより

2008年7月25日(金)稲ちゃんと朝の鳥居

2008年7月25日(金)稲ちゃんと朝の鳥居




おはよう!稲ちゃん。




稲ちゃんは、おっきすると、ぐうううんと伸び。


ふわさふわさ。




尻尾が、ゆっくり揺れる朝の鳥居。




今日のコンコン山は、人が多い。




稲ちゃんは、稲穂をくわえたくなるお年頃。


いつも、神具屋のおじさんに、おつかいを頼まれます。


「コンコンコンコン」


稲ちゃんは、首に風呂敷を下げて、山々の緑の下をかけてゆきました。




いつも、稲ちゃんは、通る道があります。




朝の鳥居たちは、りりんりりんと鳴っています。




からこんからこんりんりんしゃん。




からからこんこんりんりらしゃん。




からからからからこんこんりんしゃん。




色んな人が、おまいりにきます。


おまいりに、鈴をならしています。




でも、ふかふかな朝の鈴の音は、とろとろとろ。




ねんねしていた玉姫さんは、おっきして、とろとろとろ。


他の神さんも、とろとろとろ。


ねんねしている、巻物をくわえたコンコンは、いまにも巻物を落としそう・・!




朝の空気は、ただ、冷えてたたずむ鳥居の中をくぐる風です。




稲ちゃんは、風呂敷を、うどんのおばさんに開けてもらい、ご褒美にするめをもらいました。




たったかコンコン、とっとこコンコン。




もうすぐ、稲ちゃんの姿が、神具屋につくころです。




おしまい。



作成者 凪ナル : 2008年7月25日(金) 10:33

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