第75話

「…ふふ。まぶしそー」



私の表情を見て、伊織くんがけらけらと、笑っている。



「じゃあ、電気もついたし、もう大丈夫?」



スイッチがついている壁に、肩を預けて立っている伊織くんを、見上げる。



「…あ…、ありが、とう…」



途切れ途切れの、私からのそんな“ありがとう“を聞いた伊織くん、は。



「…ふふ、とぎれとぎれー」



海乃さん、おもしろいひとだよねー。



またも、可笑しそうに、笑う。




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